とっても苦手だけど、会社の人に病気のことを伝えるしかない

1ヶ月後に手術と決まれば、もうそれに向けて準備していくと決めた。
一旦、手術という目標ができたことで、そのことに意識が集中して
不安な気持ちが少しやわらいだのでした。

仕事を休まないといけない

先生の話では、手術をして1週間ほど入院が必要
手術の状況によって、入院期間も前後するかもしれない。とのこと。
それを想定して、2週間ぐらいは仕事を休んでほしいと言われた。

今の会社で働いて10年近くになる。有給は、1年で40日もある。
けど、年に7日ぐらい有給をとれればいいところ。
やらないといけない性格で、仕事を休むことは二の次になってたかな。
もう、そんなこと言ってられない。今まで頑張った分、休ませてもらおう。
とりあえず、2週間のお休みをもらうことにする。有給を10日使用しよう。

誰に、どういう風に告げていくか

がん宣告から2週間。
誰にも言いたくなかったけど、”がん”のことを伝えてるのは、今のところ2人。
弟。 家族を連れて診察が必要だったため、やむなく。
元カレ。 神様の偶然としか思えない出来事で、必然と。

やっぱり誰にも言いたくないけど、手術で入院する以上、仕事を休まないといけない。
絶対に言わないといけない人
上司 1人
同じ部署のメンバー 6人

自分のプライベートを話すのが苦手で、仕事だけの付き合いをしてきたけど
仕事の状況から、話さないといけない順に話していこう。

上司から、順番に話す

おくのこ
おくのこ

すみません。検査していた結果、病気になってしまいました。
大腸に腫瘍ができて、手術でとらないといけないみたいで。
入院に1週間と、その後は在宅で安静にしないといけないので、
2週間のお休みをさせてください。
その後は、通常通り仕事に復帰できますので、元通りの勤務で
仕事できます。ご迷惑をおかけして、すみません。

同じような内容を、同じフロアで働く同じ部署のメンバーに、順に話していった。
途中、仲のいいメンバーと話すときは、涙がこみあげそうになったけど、必死に我慢した。

これ以上のメンバーには言いたくない。
他の部署や、他の拠点にいるメンバーには、今、話したメンバーから
伝わっていくだろう。

”がん”になっても仕事を続けるメリットとデメリットを考える

なんで、ここまでイヤな思いをしても、まだ働くんだろう。
仕事を続けることについても、たくさん悩んで考えました。
いろんなネット情報を見ても、仕事は続けた方がいい、と書いている。
そう書いていたから、ではないけど、参考になった部分もあります。

仕事を続けるメリット

・会社の制度に守られて、利用できる
 高額医療制度(国民健康保険でももらえるが)
 有給休暇
 もし、休みが長引くことになっても、お給料がもらえる休暇制度がある
 もし、休みが長引くことになって有給がなくなっても、傷病手当がある

・”がん”から早く復帰できたとき、また新たな職場・・・となると、負担が大きい
・もし”がん”でさらに衝撃があっても、会社という別柱があることで、負担が少なくなると思う

・今の仕事で、なにかやり遂げたものがなく、忙しさで駆け抜けた10年、辞めると逃げることになる

仕事を続けるデメリット

・病気なこと、自分の知られたくないプライべートを知られてしまう
・ストレスで”がん”になったかもしれないのに、まだ仕事に縛られる生活を続ける嫌悪感
・”がん”になってるのに、仕事を続けることは、自分を大切にしていないように感じる

仕事を辞めるメリットとデメリット

仕事を辞めるメリット
・仕事のことなど考えず、自分の病気治療に専念できる
・精神的に少しは安心しそう

仕事を辞めるデメリット
・生活していくお金がなくなる

こうやって並べてみると、質と量が混ざり合って簡単に判断できないけど、
これから”がん”と闘っていく生活を考えて、「仕事は辞めずに続けていく」と決めたのでした。

5年を迎えた今、仕事を続けてきた正直な感想

私の場合です。仕事を辞めないで、よかった。
負けず嫌いの私は、あのとき、仕事を辞めると、負けを認めたことになると思ってました。
がんばって、がんばって、がんばって。働き盛りの45歳、独身。
まだまだ自分はできるはず!と、証明するものがほしかった。
それが、まだない、状態で、仕事を辞めるのは、くやしかったのです。

もちろん、”がん”の状態によって、選択できない時もあるけど、
全部から逃げ出したかったあの時、仕事を辞めないでよかったと思ってます。

結果、そのハングリー精神で、また仕事をがんばってしまって、葛藤はたくさんあったのだけど。
ただ、今度は悔いのない頑張り方をしたので、この5年の自分の仕事の成長は、
今までにない成長でした。自分で、自分をほめることができて、納得できる5年でした。

この5年の成果と自分の成長は、”がん”にならないと、手に入らなかった。
”がん”にならないと、本気を出していなかった。
本気を出した5年だったので、自分を心から認めることができました。

だから、思うのは。
病気の度合いも人それぞれ違うから、仕事を辞めるとか続けるとかは、
それも人それぞれ違うと思う。
だけど、共通していえるのは、今を本気で生きた方がいいよ!ってことです。
”がん”になるまでは、そんなこと考えたこともなかった。本気で生きる意味。
死を目の前にしないと本気は出せないかもしれないけど。
死を目の前にしなくても、「自分のことを本気で考えて悔いのない毎日を過ごしてほしい」
って、”がん”になる前の私に強く言いたいです。

みなさーん。本気で、いつ死ぬかもしれない今!を過ごしてみてください!
こわいものが、なくなります。